久しぶりに泣いた本があったので
最近、なけなしの貯金を切り崩しまくってるのが本
最近買ったのが、コレ
本当はホテルローヤルを買おうと思ってたんだけど、見つからなかったのでなんとなくこれでいいか、と購入した1冊
普段読むのはミステリが多くて、たまに西加奈子さんやら辻村深月さんが入ってくるくらいなのですが、あらすじを読んだ時に、謎解き系だったのでミステリと通じるところがあるのかと思って読み始めました
この話、すっごく重い
綺麗なものはちらつくだけで、絶対前には出てこない
喜びもつかの間、すぐにどん底
ちょっと上がるとすぐに落とされる
最後にふわりと浮かびあがりますが、私は欲が強すぎるのか、その一瞬では百合江のように解消できません
この物語、描写がとてもリアルで、ハギの受けてきた仕打ちとそれでも愛する夫への想いを想像すると、けなげで哀れで涙が出ました
弟たちへのやりきれなさ、里美のプライド、綾子への想い・・・
終盤は涙が出っ放しでした
こんなに泣けたのは、辻村深月さんのぼくのメジャースプーン以来です
何より、平凡だと思っていた自分の根底には信じられないようなドラマが埋まっているのかもしれないと思わせられる
我が家だって母親、祖母、二つ遡れば百合江やハギのような苦労をしたのかもしれない
思えば、私は祖母が若いころどんな仕事をしていたのか、祖父とどのようにして出会ったのか全く知らない
でも、そのことに大してこれっぽっちも疑問を思ったことはなかった
もし、何かあるのなら、その蓋を開けるのが私は怖い
暴いてしまいたいような、知らないままにしておきたいような
きっと私はこの本をもう読まない
繰り返し読めるような本ではない
覚悟を持って読もうと思えるその日までは本棚にしまっておきます