仕事について
なんてことだろう。こんなにも学ぶことがあるなんて。
書き手として色んな世界を見て、体験しなければと思って始めたこの仕事。
毎日の遅刻、ネットサーフィン、通販、お菓子。効率の悪い会議と幾度となく繰り返される立ち話。 それでもお金がもらえる大企業。
全く違う環境で仕事がしたくて入った今の会社。 経験のために選んだ営業という職種。
高学歴に胡座をかいた先輩たちの中から飛び込んだ先は、高卒上等実力主義のベンチャー企業。
それは大学三年生の私が望んでいたものそのものだったはずなのに、染められたのか元々か、少し上から見ている自分がいて。 そんな風に見ている自分に恥ずかしさよりもやっぱりそうなんだと残念に思う。
でもそんな周りの人達はお金を稼ぐためにきちんと生きている。 食べていくために働いているのがひしひしと伝わってくる。
そんな中で私が日々思っていたのは、書く時間がない、ということで。 頑張らなくてもある程度なんとかなる要領の良さで乗りきろうと思っていた。 だって、私は書き手になりたいんだもの。 仕事をするのは新しい経験をして、新しい感情を知るため。そして、書いて食べていけるようになるまでのお金を稼ぐため。
そう、それは腰掛けってやつだ。
書く片手間でやる仕事じゃなかった。 両方に力を注げないなら、それこそ時間を自由に作れるフリーターになればよかったのかもしれない。
大学生の時、私の生き甲斐はサークルだった。 仕事が残ってるなら風邪を引いても休むなと思ったし、バイトで遅刻なんてありえないと思っていた。 寝る間を惜しんで仕事をし、どんどん改革していった。 大好きだったから。 自分達の仕事に自信を持っていたから。 もちろん、授業もバイトもきちんとこなした。 80点にこなす要領の良さはある。
私は今の仕事に、会社に、サービスに愛を持っていない。 だって、私のメインは書くことだから。
それを高卒だから、と思っていた上司に見抜かれた。
きれいな言葉だけで働いてきた一年半。今、書く以外のことで自分の中から苦しんで出した言葉を求められている。 それは高卒だからかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 仕事に対する気持ちかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
できることなら新卒で入っていたかった。
今、考える。 目の前にある仕事に力を注ぐのか、あくまでも自分のメインは書くことだというスタイルを貫き通すのか。 もしくは、 もしくは、自分の未知の領域に踏み込んでみるのか。 両方頑張ります、だなんてそんな恐ろしいこと簡単には口に出せない。