変人日記

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物書き志望のヅカオタの雑記帳

宙組 天は赤い河のほとり 感想

遅くなりましたが、宙組 天は赤い河のほとり/シトラスの風 Sunrise見てきました!

 


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いや、今回ほんとめちゃめちゃ良かった!

1階10列目どセンターの見やすいお席だったし、最高でした。

 

原作の篠原千絵先生が自腹きって何回も見てるってだけで大成功じゃなかでしょうか?ね?ね?

 
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というわけで、今回も観劇の感想です。

 

お芝居 天は赤い河のほとり

今回のポイントは3つ!

 

①小柳先生の舞台の見せ方

②キャラクターとのジェンヌさんの相性

③まかまどお披露目公演として

 

 

 

①小柳先生の舞台の見せ方

今回の脚本、演出は小柳奈穂子先生

 

見ててわかりやすいものが多く、宝塚で好きな作品は小柳先生のものが多い。

 

その小柳先生が今回挑むのが漫画原作の「天は赤い河のほとり」。残念ながら原作は漫喫で途中までしか読んだことがありません。

 

原作は全28巻の大作で歴史モノという…下手にはしょると余計ややこしくなりそうだし、登場人物も多い作品。

こないだの月組みたいに見せ場を繋ぎ合わせていくだけになったら嫌だし、どうやって作ってくるんだろう、と思っていました。

 

でも、そこは小柳先生。

駆け足になってしまうのは仕方ないですが、世界観を大切にしつつも盛り沢山の見せ場を緩急つけて表現してたのにはさすがだな、と思いました。

 

何より感心したのが、場面のスポットライトを一ヶ所に集めるのではなく、その時のその場所として扱っていること。

 

階段上、舞台中央、銀橋の3つをフルに使って、短い時間の中でうまく工夫されてらっしゃるなと思いました。

 

例えば、愛ちゃん演じるマッティワザとの戦が終わった場面。

階段上ではまどか演じるユーリを「女神様バンザイ!」と称える民衆とユーリたち。

舞台中央では真風さん演じるカイルがキキちゃん演じるラムセスと言葉を交わす、とか。

 

祭りの場面ではカイルたちが踊って盛り上がってる後ろで星条さん演じるウルヒが瑠風、の二人に怪しい術をかけてるとか。

 

舞台じゃないとできない見せ方

 

だなと思いました。

ただ、ご贔屓をオペラで追ってると見えない部分なので2回以上見るしかないですね。

 

あと、印象に残ったのがプロローグ

新作のプロローグでこんなに胸が高鳴ったのは桜華に舞え以来でしょうか。

 

登場人物が次々出て来るんですけど、まずここで世界観にグッと引き込まれます。

とにかくビジュアルが素晴らしいですし、戦隊モノのショーのごとく一人一人にスポットライトがあたって「うおおおがんばれえええ」ってなります。

あっち行ったりこっち行ったりするユーリもこの古代オリエントに翻弄されてる感じが出てて、感覚的にわかるのもいいな、と思いました。

 

 

②キャラクターとジェンヌさんの相性

私は原作を途中まで、しかも1回しか見てないので全く覚えていませんが、全体を通して各キャラクターの完成度が高かった、という声が多いみたいですね。

 

まずは、カイル役の真風氏。

めっっっっちゃくちゃ似合ってました。

 

真風氏の顔立ちはオリエンタルな雰囲気にぴったりですし、壁ドンやお姫様抱っこなどもただきゅんきゅんさせるだけでなく、真風カイルの包容力が滲み出てて、見てるだけで幸せ。

 

それにしても真風氏は宙に来てからというもの、王子とか王様役が多いですね。

今回のカイル王子はあんな色男な見た目なのにものすごく誠実というギャップが普段の真風さんと重なる部分もあり、適役だったんじゃないかな、という印象。

 

 

ユーリ役のまどかは相変わらず幼い感じはありつつも…

役柄的には等身大に近くてぴったりだったと思いました。

さすが歌も上手ですし、小柄な分、小回りきく感じがアクションシーンで表現されてて良かったな、と。

ただおてんばなだけでなく、しっかりと意志を持ってる感じがとても好感が持てました。

 

 

お次はラムセス役のキキちゃん。

愛ちゃん大好きなので、キキちゃんが来なければ…なんてことを考えたのは一度や二度じゃありません。

 

が、今回初めてキキちゃん見て「何この人めっちゃやばい」って思わされちゃったのが宝塚の恐ろしさですよね。

 

…はぁ。

キキちゃんめっちゃかっこよかったです。

浅黒い肌に金髪のイケメンってなんやそれ。イケメンか。

カイル王子との対比もよかったですし、あのチャラい感じがキキちゃんにぴったりだな、と(キキちゃんのことよく知らないのに)思いました。

 

 

マッティワザ役の愛ちゃんは、とにかく出番が少なくて泣ける。

ほぼ最初と最後だけ。

戦の部分で見せ場はあるものの、本当に駆け足でストーリー構成上いれなきゃ後に繋がらない部分なんだろうな、というのが見ててわかりました。

だから、心の動きは想像するしかなく、とにかくここでマッティワザはユーリを気に入ったんだな、と納得させるしかありません。

 

ただ、黒髪ロングの残虐な王子は背の高い愛ちゃんによく似合ってました。

出番は少なかったけど、愛ちゃんだから似合ってたのも事実。

にしても愛ちゃんは相変わらずアクの強い役が多くて、見てて楽しいです。

 

 

第4王子ザナンザはずんちゃん

ずんちゃん死んじゃうの早すぎいいいいいいい!!!!

 

私、今回のずんちゃんのビジュアルめちゃめちゃ好きで。過去のどの作品よりもズキュンと来ました。よくわかんないけど、すごいかっこよかった。

だから早すぎる死に泣きました。

 

マッティワザに勇敢に飛びかかっていったユーリは何故ここで加勢しないのだ。ずんちゃんに剣の稽古つけてもらってたんでしょ?

ここでユーリがどうにかしてたらずんちゃん死なずに済んだかもしれないのに!今回は早々に退場される面々が多いのが残念です。

 

 

ハディ役は今回の大劇場から宙組生として参加する天彩峰里。

二番手娘役扱いなのかな?と思いきや、ショーの並びはららより後。

100期生でまだまだ若いけれど、同期がトップ娘役をやってる宙に来るのはちょっと複雑なんじゃなかでしょうか。

みねりのハディはしっかりしたお姉さんって感じ。あのポニーテールは半分地毛でしょうか?とってもよく似合ってました。

出番や見せ場は多くなかったけど、メインメンバーですし、宙でも頑張って欲しいなと思います。

 

ティト役の愛海ひかるくんは大抜擢ですね!

今回は愛ちゃん、ずんちゃんよりよっぽど出番も見せ場も多かったのではないでしょうか。すぐ死んじゃうけど。

動きも声も少年らしい幼さがあり、ユーリとの絡みもとっても可愛らしい。

何より自ら冤罪を被りに行った場面がすごかった。

言い出す時、すごく迷いながらも殺されるとわかってるのにカイルを助ける為に勇気を出したこと。カイルを本当に慕ってるのが見てとれたし、思い出しても泣けます。

 

あきさまのネフェルティティもお見事。

愛ちゃん同様、出番は少ないんですが存在感は抜群。

親書が見つかって身柄拘束の流れはよくわからなかったけど、エジプトの女王としての高貴さやプライドの高さがすごくよく出ていてお似合いでした。

あれはアムネリス様のお衣装と同じかしら?スリムなあきさま、サラッと着こなしていて男役には見えなかったほど。

 

それ以外だと、妃様の一人としてカイルを追っかけ回していたせっちゃん、おさよの2人がめちゃめちゃ可愛かったです。

おさよはオレンジの衣装がとっても似合ってたし、エクボがめちゃめちゃ可愛い。

成績良いし歌もうたえるのにもったいないなといつも思います。

 

ナキアの娘時代を演じてた華妃まいあーも良かった!

まいあーは新人公演ではナキアを演じるので役も深めやすかったんじゃないかな、と。

娘役としては背も高いし、スタイルがいいので、ああいう凜とした役は似合うよね。

 

 

③まかまどお披露目公演として

エストサイドストーリーもヴァンパイアサクセションも見れていない私。

 

次のトップコンビはまかうらだと信じて疑わなかった伶美うらら推しです。

 

まどかとのコンビは身長差も年齢差もありすぎな上、真風氏の耽美なお顔立ちとくりくりお目目で童顔なまどかは合わないと思っていました。

 

何の演目が出来るの?どれやってもお兄ちゃんと妹にしか見えないでしょ、って。

 

そんな中での今回の天河。

上でも散々述べてますが、めちゃめちゃ良かったです。

 

現代からタイムスリップさせられたおてんばボーイッシュな女子高生と古代オリエントのイケメン王子。

 

年齢差も関係的にもこの二人が演じるのにぴったりでしたし、原作ファンも文句ないビジュアルだったんじゃないでしょうか。

他の宙娘じゃできなかったな、と思います。

 

まかまどだったからこそ見れた作品だったし、天河が見れただけでもまかまどで良かったと思えるくらい、今回の作品は個人的にとっても好きでした。

 

ここで背伸びして大作モノとかやらなくてほんとによかったなと思います。

 

ただ、次は日本もののショーとレオナルドダヴィンチのお芝居。真風氏がダヴィンチってことは、まどかはモナリザのモデル…的な?

 

うーん、シックな感じのお話だしどうなるか…ちょっと不安な部分もありますが、次回も楽しみです。

 

少し長くなったので、ショーはまた次回。