変人日記

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物書き志望のヅカオタの雑記帳

【感想】宙組 El Japon/アクアヴィーテ!!

宙組さんのEl Japon -イスパニアのサムライ-アクアヴィーテ!! ~生命の水~を観劇してきました!

 



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真風さんがトップになってからだと、天は赤い河のほとりオーシャンズ11は見ているんですが、異人たちのルネサンス/白鷺の城は見れていません。

ということで、宙組さんのショーはほぼ2年振りになります。

 

色んな組を見させて頂いていますが、どの組もやっぱり色があって、どんなにメンバーが入れ替わっても、初めて見た時から変わらない「宙組らしさ」が受け継がれていて、感動しました。

 

というわけで、以下感想。

ネタバレありますのでお気を付け下さい。

 

お芝居 : El Japon ‐イスパニアのサムライ‐

 

スペインにはjapon(ハポン=日本)姓の人がいるらしく、そこから着想を得たオリジナル作品です。

 

Japon姓の人々が何故生まれたかを歴史を交えながら描かれています。

 

1幕だけですが、盛り込み過ぎることも足りなさ過ぎることもなく、綺麗にまとめられていて、面白かったです。

 

真風涼帆演じる蒲田治道の過去、星風まどか演じるカタリナの過去、そして和希そら演じる藤九郎の葛藤...

 

トップコンビに焦点をあてることが多いですが、プラスで治道の過去と藤九郎の葛藤が合わさっていることで、より広がっていてよかったな、と思います。

 

真風さんが出ずっぱりだったり、遥羽らら演じる藤乃の出番がちょっと少ないな、とか芹香斗亜演じるアレハンドロがもうちょっと掘り下げてあったらな...なんて思うところもあったんですが、アレハンドロは最後に良いところかっさらっていきますし、バランスよくまとめられていました。

 

日本とスペインの差がハッキリ見えるのが◎

オープニングから日本人の真面目さとスペイン人の明るさが明確に書き分けられていました。

 

もちろん、衣装やメイクも違うんですが、台詞や所作にもその差が表れているのがとても興味深かったです。

 

「飽きちゃったから日本人もういいや」というスペイン国王(星吹彩翔)に対し、生真面目に貿易交渉を迫り続ける支倉常長(寿つかさ)。

 

少し前まで楽しく踊っていたのに「お付き合いするなら最低でも貴族じゃなくちゃ」と使節団のお相手を跳ね除ける伯爵夫人(桜音れい)&王女(愛咲まりあ)と急にそっぽ向かれてオロオロする金蔵(愛海ひかる)&九郎右衛門(鷹翔千空)。

 

他にも「その人はあなたの恋人ですか?」とド直球な質問をするカタリナに対し、「お慕いしておりました」と治道。

 

また、カタリナと治道がダンスをする場面では、スペイン人であるカタリナと日本人である治道の手つきが全く違うんです。

クルクルくねらせるカタリナと盆踊りのような手つきの治道。文化の差と時代を感じられて、流石だなと思いました。

 

短期間での恋愛も不自然さがなく◎

宝塚歌劇のお芝居では、短期間で恋に落ちて結ばれる...みたいなことがままあるんですが、今回も出会って間もない2人が恋に落ちて結婚する、という流れになります。

 

星組のGOD OF STARSでは、アイリーンは一体いつの間にホンシンシンを好きになったの!?とツッコミました。

これは嫌な奴→恋に急展開したことに加えて、2人のシーンがほとんどなかったこと、コメディを優先させたことが原因だったんじゃないかな、と思います。

 

今回のEl Japonでは、信頼→恋への変化になっているんですね。

また、危ないところを(またかよ、と思わせることなく適度に)何度も助けていること、お互いに尊敬し合っていることが見えることから、不自然さはあまり感じませんでした。

 

恋愛的な要素は使節団の日本への帰国が決まった時の飲み屋でのやり取りしかないんですが、2人の気持ちはその1場面の演技に凝縮されてました。

 

2人の気持ちは同じだった!!

 

1つ突っ込むなら

最終的に治道と藤九郎は船に乗り遅れます。

アレハンドロの機転で治道にはカタリナの夫としてスペインで生きる道が用意されますが、藤九郎はどうすんの...?

 

だって、あんなに「キリスト教以外の人をこの地に住まわせるのは大罪だ!」って言ってたのにさ。

 

それを言ってしまうと、治道もキリスト教ではないんだけれど。

 

まぁ、アレハンドロがどうにかするんでしょう。洗礼を受けてキリスト教徒になれば、とりあえずOKなのかな。それで、エリアスと修行に励むのかな。

 

 

ショー:アクアヴィーテ ~生命の水~

 


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藤井大介先生演出の、お酒をテーマにしたショー。

 

今回はウイスキーがテーマになっています。

 

花組のサンテは藤井先生演出のワインをテーマにしたショーで、客席降りで観客とワイングラスを合わせる演出がありましたが、今回もロックグラスの販売がされています。

 

これ、恥ずかしくて手を出せない人でも気軽に出せるし、ジェンヌさんも手を離してくれなくて動けなくなる...なんてこともないし。

何より儲かる!

とっても良い案だと思います。

 

プラスチック製ですが、かなりしっかりした作りだし、500円とお安いので、通路側の席の方はオススメです。

私はどの席も中側だったので、買いませんでしたが。

 

バランスのとれた内容と歌割り

今回は、各場面、しっとり、ポップ、セクシーなどなどバランスの良い構成になっていました。

 

ジャンルとしてのバランスの良さもありながら、私が気になったのは、各場面のメインで歌ってる人!

 

例えば、星組だと華鳥礼良(もうやめちゃったけど)、白妙なつ、夢妃杏瑠など、歌うまさんにある程度偏ってしまっているところがあると思うんですが、今回の宙組はここが偏ることなく、色んな人の歌が聞けたかなーと思います。

 

今回で退団してしまう星吹彩翔&桜音れい、

同期コンビ和希そら&瀬戸花まり、

遥羽&天彩×留依&鷹翔の若手組などなど

 

北翔さんのディナーショー(巴里祭だったか?)で、実家が徳島のお漬物屋さんでーって紹介されていたせっちゃん(瀬戸花まり)ももう上級生なんだなーとしみじみ

 

せーこちゃんが辞めてしまった今、宙組ゾフィーが1番似合うのはせっちゃんでしょうね。

ド迫力な低音の歌声で宙組を支えていくのでしょう。

 

そして、エトワールは小春乃さよ

 

ずっとエトワールやって欲しいと思ってたから嬉しい!

いっつもニコニコしてて本当に可愛い...

もっと歌声を聞いていたい娘役さんです。

 

スタイリッシュな宙組らしさ

オープニング見ていて思ったんですが、やっぱり他のどの組とも違う宙組らしさみたいなものがあるんですよね。

 

洗練された大人っぽさ...現代的なスタイリッシュさ...とでも言うのでしょうか?

トップさんが変わっても、主要メンバーに他の組の出身者がいても、根底にある宙組っぽさが感じられるんですよね。

 

私が宝塚にはまるきっかけになったのは宙組なので、その当時感じた宙組らしさが変わらず残っていることに嬉しく思うと同時に、不思議と安心感があります。

 

お気に入りのウイスキーボンボン

アクアヴィーテで1番お気に入りなのが、客席降りの後かな?にある、和希そらのウイスキーボンボンの場面。

 

星吹彩翔&桜音れいの2人が歌い、そらが男役たちと踊るジャズっぽい場面です。

 

右手にアルコール左手にアルコール♪

胃の中も脳内もアルコール♪

 

このフレーズがずーっと頭の中でぐるぐるしてます。

 

なんていうのか...アメリカの古いTVshowみたいな...

レトロでコミカルな感じが見ててとっても楽しいです。

 

宙組は上級生の退団が続いていて、もんちとれいちゃんの2人がいなくなってしまうのがとっても残念。

最後に素敵な場面を見させてくれた藤井先生に感謝!

 

 

夢白あやの立ち位置とは

今回、ショーでは娘役2番手の位置に夢白あやちゃんがきています。

 

お芝居ではあまり目立たない日本人奴隷娘の1人を演じていたのですが、ショーで急に出てきてびっくり。

 

組配属されてすぐ、まぁ様退団公演の神々の土地で伶美うららの演じるヒロイン イレーネを新人公演で演じました。

 

あの時は、夢白あやって誰?って感じだったのですが、その後も新人公演やバウでヒロインに抜擢され、まどか激推しの次は彼女か...と思われていました。

 

まだ、らら(遥羽らら)とじゅりちゃん(天彩峰里)をぶち抜いて2番手娘役扱いするのは時期尚早なのか...ショーだけ2番手娘役のポジションでした。

 

宙組の娘役さんは美人よりも可愛い系ばっかりなので、それだけで目立ちますね。

身長も高めなので、まどか、らら、じゅりちゃんと並んでいると頭1つ出ている気がします。

 

ショーで真風さん、キキちゃん、まどか、夢白あやちゃんの4人で踊っている場面があります。

パッと目を引くのは夢白あやちゃんなんですが、あまり学年は変わらないのに、まどかの安定感がすごいんですよね。

 

纏うオーラと優雅さ、上品さがやっぱりトップ娘役なんだな...と思わされました。

マント...というか、白く透けた布を纏いながら踊ってるんですが、まるでまどかが制御してるかのように滑らかにふんわり動くんです。

 

頭の先から足の先まで、衣装も含めて気を配ってるんだな...と改めて感心しました。

 

 

宝塚の楽しさを改めて教えてくれた

ずーっと七海さんを追いかけていたので、偏った見方をしていたんですが、久しぶりにフラットな目線で宝塚歌劇を見て、改めて宝塚っていいな、と思わされました。

 

今年はもうちょっと観劇回数増やしていきたいなと思います。