コンビニのおばあさん
私がコンビニデビューをしたのは、幼稚園の年長だったか小学1年生だったか、確か6歳かそこらだったと思う
家の近所のセイコーマート(北海道のローカルコンビニです)に友達と二人でロッテの梅ガムを買いにいった
なんで梅ガムだったのかは覚えていないけれど
初めて一人で行ったのは小学4年生の時
ローソンに飴を買いにいった
それからちょくちょく行くようになったのだが、コンビニでおばあさんを見かけると胸がきゅーーーーーってなるようになった
ある時にはショッピングバック、ある時には椅子に変わる便利なカートを押しながらコンビニで食材を買っていくおばあさんを見ると胸がきゅーーーーーって締め付けられる
おばあさんは畑でとれた新鮮な野菜を緑で囲まれた木造平屋の庭付き一戸建てで煮物にして、オレンジ色の電球の下で虫の音色を聞きながら食べていなければいけないのだ
というおばあさんイメージが刷り込まれてるからかしら
コンビニで食パン買うおばあさん見てたら何だかいたたまれなくて、
「おいおい、食パンなら坂を降りたところのパン屋まで行っておくれよ」
と思う
カート押しながら食パンだけのために坂を降りて、また登るのが大変だということはわかるんだけど…だけど!
スーパーでお惣菜買ってるおばあさんもニアリーイコールなのだが、コンビニはやっぱり不健康ってイメージが心の奥底にあるのか締め付けられ度はコンビニのほうが強い
はなから自炊する気がないからかもしれない
それに、スーパーまで足を伸ばした時点で「今日はちょっと手抜きしちゃおうかしら、なのかな」と安心するが、コンビニだと完全にコンビニ食に慣れた孤独老人なのかな、という気がしてしまう
うちの祖母も一人暮らしだから、コンビニでコロッケ一個だけ買って夕飯にしたりするらしい
スーパーまで行くのが面倒くさいのもあるけれど、スーパーでコロッケ一個だけを買うという行為がちょっと気まずいらしい
お肉屋さんなら買いやすいんだろうけど、どこの町にもあるわけじゃないし
高校生の部活帰りのおやつがおばあさんの夕飯になるという事実にもまた胸が締め付けられる
コンビニとお年寄りってあまり結び付かないけれど、コンビニの存在を一番有り難がっているのはお年寄りなのかもしれない